このたび、YCP日本地域CEOの松岡 真宏が、日本を代表するビジネスメディアの一つである「ダイヤモンド・オンライン」に寄稿しました。
本記事では、1987年の国鉄分割民営化を取り上げています。この改革は、日本の戦後史における代表的な成功事例の一つとして広く評価されています。松岡は、当時のモデルが合理的な選択であったことを認めつつ、旧国鉄が抱えていた累積債務、非効率な組織構造、政治的介入、労使対立といった課題の解決に大きく貢献したと論じています。
一方で、鉄道業界を取り巻く環境はその後大きく変化しています。人口減少、インバウンド需要の拡大、デジタル化、脱炭素化、そしてグローバル資本市場の発展を背景に、1987年に構築されたJR体制が、今日においても最適なモデルでありつづけているのかという問いを提起しています。
また、異なるJR各社の境界をまたいで移動する際に利用者が感じる「見えない段差」についても言及しています。車内サービスの違いやICカード利用範囲の制約といった課題は、一見すると運営上の細かな問題に見えるものの、利用者がシームレスな移動体験を求める時代において、日本のモビリティをどのように設計していくべきかという、より本質的な問いに繋がるものだと指摘しています。
本記事は、旧国鉄への回帰を提唱するものではなく、新たな段階の鉄道改革について議論する必要性を提起しています。松岡は、その出発点として、完全な再統合ではなく、デジタル基盤、インバウンド向けサービス、資本政策、調達、研究開発といった機能領域において、各社横断で連携可能な機能を見直すことの重要性を論じています。
主なトピックは以下の通りです。
1987年の国鉄分割民営化モデルが当時は合理的であった一方、現在のモビリティ環境との間に生じている変化
会社の境界が、サービス・乗車券・決済システムにまたがる利用者体験に与える「見えない段差」
人口減少、インバウンド需要の拡大、デジタル化、資本市場の発展がJR体制に新たな問いを投げかけている背景
民営化後に制度と事業の両面で大きく変貌した他の旧国有企業との比較から見たJRの現在地
JR再統合を「旧国鉄への回帰」ではなく、「制度設計の再考」として位置付ける理由
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エキスパートプロフィール
松岡 真宏(YCP日本地域CEO/グループオフィサー/マネージングパートナー)
企業戦略、事業再編、バリュークリエーションに関する豊富な知見を有する。小売・消費セクターを中心に、ターンアラウンドの実行および株式リサーチ領域で幅広い経験を持つ。