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「世界イスラム経済レポート2022」によると、世界のイスラム経済圏は約19億人の人口を抱えており、ハラール食品およびサービスに対する消費規模は2015年~2021年にCAGR(年平均成長率)8%で急成長を遂げ、2021年に2.0兆米ドルに達しました。2021年~2025年には、新型コロナウイルスのパンデミックやウクライナ戦争によるサプライチェーンの混乱によってCAGR7.5%程度まで成長ペースを落とすと予測されていますが、今後もハラール産業は世界的に成長を続ける見込みです。
ハラール産業の成長要因としては、ムスリム人口増加によるハラール浸透、非ムスリムからのハラール製品に対する需要拡大、ハラール産業発展に向けた国家戦略、テクノロジー導入によるデジタル・ハラールエコシステム確立などが挙げられます。
一方で、ハラール産業は国際的な基準となる規制制度を持たないため、生産コスト上昇や市場参入の制限に繋がる重大な課題も抱えています。イスラム協力機構(OIC)の主要加盟国が存在する東南アジアのハラール産業では、この課題が顕著に表れています。
東南アジアのハラール産業における主要プレーヤー
OIC加盟国では、2020年~2026年のGDP成長率が、世界平均より高水準のCAGR7%で推移すると予測されています。また、東南アジアにおけるハラール産業の成長に対しても、OIC加盟国であるマレーシア、インドネシア、ブルネイが重要な役割を果たすとされています。マレーシアは、OICに設立時から加盟しており、ハラール産業が発展しています。インドネシアは、東南アジア最多のムスリム人口を抱えています。ブルネイは他国より小規模ですが、新興プレーヤーとして注目されています。新型コロナウイルスのポストパンデミック期を迎え、東南アジアのハラール産業では、ハラール製品、イスラム金融などに対する投資が急増しています。また、OIC非加盟国も、国境を越えた貿易や輸出を拡大するために、ハラール製品・サービスに対する投資を開始しています。中でもシンガポールは「世界イスラム経済レポート2022」でハラール産業において7位にランクインしており、東南アジアではムスリムの比率が高くない国でもハラール製品に有利な状況であることが読み取れます。
このレポートでは、東南アジアにおけるハラール産業の成長見通しについて、インドネシア、マレーシア、シンガポールを例として、ハラール製品およびイスラム金融の動向、主要プレーヤー、成長要因・課題に焦点を当てて解説します。東南アジアのハラール産業に参入し、事業成長を実現する方法について、ぜひこちらからレポートを無料ダウンロードの上ご確認ください。
Author
Septian Waluyan
インドネシアを拠点とするパートナー。消費財、小売及び製造業界を中心にインドネシアのコンサルティング業界で豊富な経験を持つ。市場参入戦略、M&A、コマーシャルデューデリジェンス、マーケティング戦略、チャネルマネジメントなど多種多様なプロジェクトに携わる。