日本企業は長年にわたり、「選択と集中」を重視し、限られた高収益領域に経営資源を集約してきました。この戦略は短期的には効果を発揮しましたが、イノベーションやリスクテイクの機会を失い、長期的な競争力の低下を招いている側面もあります。 

本ホワイトペーパーは、YCPグループ日本法人代表取締役および日本地域統括責任者を務める松岡真宏による著書『「経営者のための正しい多角化論」~世界が評価するコングロマリットプレミアム』をもとに、現代の経営環境においてなぜ「構造的な多角化」が求められるのか、その理由と実践方法を紹介します。さらに、世界の先進企業の成功事例や、著者自身のアドバイザリー経験に基づくフレームワークを通じて、変化の激しい時代を生き抜くための新たな経営戦略も提示します。 

多角化を成功に導く「進化型コングロマリット」という考え方 

本レポートでは、規模の拡大を目的とした旧来的な多角化ではなく、企業価値を高めるための戦略的かつ意図ある多角化の重要性を説きます。事業間のシナジーを設計し、環境変化に強いポートフォリオを構築したうえで、将来の成長を見据えて長期的な投資を行う──そうした取り組みを進める企業が、現在、グローバル市場で高く評価されています。 

多角化を成功させる3つの条件 

多角化によって企業価値を高めるためには、単なる事業拡大にとどまらず、組織全体で戦略的に取り組むことが求められます。その実現には、次の3つの条件が不可欠です。

Author

松岡 真宏

YCP入社前は、フロンティア・マネジメントの共同代表(共同創業者)を17年務める。

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