台湾ニュースによると、欧州、中国、米国などの海外市場におけるテクノロジー・電気製品の需要が拡大し、台湾の輸出産業は今年7月に昨年同月比34.7%増となりました。月間輸出額は台湾史上最高の379.5億ドルを記録し、そのうち電子機器は約146.7億ドルでした。ロイター通信の分析では前年比29.5%増に留まると予測されていたので、この数字は歴史的な記録だと言えます。
さらに驚くべきことに、台湾では、輸出額が13ヵ月連続で増加しています。国際市場からの需要が持続する限り、台湾の輸出産業の持続的な成長が期待できます。
半導体チップの輸出による台湾全体の景気回復
現在、高い需要を背景に、世界的に半導体チップが不足しています。Mintの報道によると、半導体チップの供給不足によって影響を受けている業界は少なくとも169業種に上るとの分析結果が出ています。このような状況を受けて、台湾の半導体チップ製造業とその輸出業は、高い需要によって利益を享受することができている状況です。
実際に、台湾の半導体業界は人手不足の状況が続いています。台北タイムズの統計によると、国内の半導体企業の2021年4月から6月までの平均求人数は27,701件で、昨年同時期と比較すると44.4%増となっています。テクノロジー・電気製品の輸出需要は、メーカーだけでなく台湾全体の雇用率向上に繋がっていると言えます。
半導体チップの高い需要と雇用の拡大を考慮すると、輸出を通じた台湾経済の発展は必至です。パンデミックによる多額の損失がある一方で、半導体の輸出産業が、台湾経済の回復基盤となり得ます。
投資の拡大
半導体業界の急成長に伴い、さらなる発展に向けた投資が拡大しています。具体例として、世界最大の半導体ファウンドリである台湾積体電路製造(TSMC)は、台湾と米国で90億ドルの社債を発行し、現在資金を拡大しています。この資金は、国内外での研究開発費に充てられます。
また、TSMCは台湾政府と共同で、半導体産業の人材育成を目的とした専門的な大学院の設立計画を発表しました。日経アジアによると、半導体業界の人材育成と、熟練労働者を増やすことを目的に、今後数年間で3億ドル以上の資金がこの事業に投入される予定です。
政府も同様に、地域経済の活性化と現地企業の成長促進のために、国内企業に53億4,000万米ドルの融資を行う計画を発表しました。現在50社を超える企業の融資申請が台湾内閣で審査されています。
このように、民間企業や地方自治体は、半導体業界や輸出産業の発展に向けて積極的に取り組んでいます。この分野の発展によって、台湾は、世界市場での高いプレゼンスを獲得できると考えられます。