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ベトナムが東南アジアにおける製造業のハブとなるためには環境負荷低減を推進することが重要であり、官民双方のステークホルダーがこの課題に取り組んでいます。国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で設定された「ネットゼロ(温室効果ガス排出量正味ゼロ)」という目標を達成するため、政策レベルで取り組みが進められており、大手企業もまた再生可能エネルギー導入促進に注力しています。
現在、ベトナムでは石炭火力発電が総発電量のおよそ半分を占め、再生可能エネルギーによる発電は5%に留まっています。石炭火力発電は今後も増加しつづける見込みですが、第8次国家電源開発基本計画(PDP8)では全草案を通じて、風力や太陽光などの再生可能エネルギー導入によってエネルギーミックスにおける石炭の割合を減らすことを目指しています。
ベトナムでは、総発電量に占める再生可能エネルギーの割合が2030年時点で28%に、2045年には51%に上昇すると予測されています。
ベトナムにおける再生可能エネルギー導入の鍵
ベトナムにでは、前述したCOP26の公約に加え、下記3点の要素によって再生可能エネルギーの導入が促進される見込みです。
- ベトナムは東南アジアで2番目に電力使用量が多く、エネルギー部門において高い成長ポテンシャルを持っている
- ベトナム政府は、安全保障と環境保護を目的として、再生・持続可能なエネルギーに対する投資を表明している
- 環境保全に対する社会的関心がかつてないほど高まっている
ベトナムで投資を検討する民間企業は、エネルギー転換を促進する鍵として上記の要素に注目しています。ベトナムで長期的な事業成長を実現するためには、現地の政策や規制に精通した専門家とパートナーシップを結ぶことが重要です。また、ベトナムで利用されるさまざまな再生可能エネルギー源の構造を理解することも必要となります。
このホワイトペーパーでは、ベトナムのエネルギー転換関連施策に大きく影響する液化天然ガス(LNG)導入による石炭依存度低減、再生可能エネルギー開発の主力である風力発電、エネルギー貯蔵システムなどの分野における民間企業の再生可能エネルギーに対する投資機会、という3つの主要トピックについて解説しています。