東南アジア諸国連合は、近年著しい経済発展を遂げる多様な10カ国から構成される連合です。この地域を単一の組織として見ると、世界第6位の経済大国であり、外国直接投資(FDI)の規模では第2位につけています。
2000年から2014年の間に、ASEANの実質GDP成長率は、世界平均の年間3.9%に対し、年間平均5.3%を示しました。ASEANは消費市場として、消費者需要の成長の中心地であり、消費者支出の総額は2000年から2014年の間に115%増加し、総消費者支出額は1.4兆米ドルに達しています。
2016年に経済が開放され、新しい民主政権が樹立された後、ミャンマーは現在、ASEAN地域における主要な消費者市場を代表する国となっています。
弊社のレポート「次の成長の波:ミャンマーにおける消費者主義の台頭」によると、ミャンマーにおける外国直接投資額は2015-2016年には95億米ドルという驚異的な金額へと増加しています。
長年にわたり経済的に孤立し世界のエコシステムから疎外されていた時期を経て、ミャンマーの若年層は現在、より良い仕事、グローバル企業ブランド、デジタルの世界へとアクセスすることが可能となっています。彼らは、若くて意欲的な労働力としての魅力を持つだけでなく、強力な消費者の基盤として期待できる存在です。
10~29歳は人口の36%を占め、30~49歳が27%と続いています。
1人当たりGDPはASEAN諸国の中で最も低い水準が続いていますが、若年層の増加に伴い、2020年には2.211米ドルに達すると推定されています。現在、人口の24%のみが120米ドル以上を稼いでいますが、2022年までにそれが48%に増加すると予想されています。
FMCG部門はミャンマーで最も急成長している市場の1つで、2010年から2014年の成長率は15%に達しました。食料品は、ミャンマーの平均的な世帯消費の中で最も大きな割合を占めており、パーソナルケア製品と家庭用品が続きます。2016年に93%に達したスマートフォンの普及率の大幅な増加により、モバイル機器は最も人気のある電機製品となっており、消費者は価格が手頃であるという理由でAndroidデバイスを好んでいます。衣料品市場も成長すると予想され、近年は国際的な企業が参入し始めています。
過去数年間、金融部門の発展やデビットカードとクレジットカードの導入が進まなかったことが、消費者市場の成長の主な阻害要因となっていました。しかし、22歳以上で「貪欲な消費者」として特徴づけられる「つながる」世代は、国際的なブランドとの親和性が高く、今後数年間で消費者支出を促進する存在になるとみられています。
伝統的なウェットマーケットと道路脇のホーカーセンターは、依然として多くの農村部の人々にとっては主要な小売チャネルですが、特にコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの近代的小売チャネルへと消費者がシフトしている都市部においては、購買プロセスや意思決定に変革が生じています。
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