2022年、シンガポールの企業や専門家はどのような事業機会に期待できるでしょうか。YCP Solidianceは、シンガポールの最新ビジネストレンドについて、同国のプロフェッショナルチームによる調査・分析に基づいた詳細なインサイト記事を数回にわたって公開しています。

シリーズ第1回は、2022年にシンガポールで主流となるビジネストレンドについて、包括的に解説します。今後、当シリーズの記事をお読みいただくには、こちらからニュースレターをご購読ください。 

パンデミック後の人の流入により、2022年のシンガポールのビジネスは回復することが期待されています。最近締結された太平洋同盟・シンガポール自由貿易協定(PASFTA)などの国境を越えた取引もまた、景気回復を後押しすると予測されています。このチリ、コロンビア、メキシコ、ペルーからなる太平洋同盟貿易圏(GDPの合計は2兆6000億米ドル以上)との自由貿易協定により、シンガポールはラテンアメリカ市場の投資家や企業と取引・提携する上で唯一無二な立場になると言えます。

2021年の経済成長とPASFTAのような有益な貿易協定の締結は、国内外の関連企業に対して、シンガポールでのビジネスを促進すると考えられます。総合的に考えると、シンガポールは2022年もいくつかの市場、特にデジタル化、高齢者ケア、サステイナビリティの分野でビジネスを成功させることができる見通しです。

ビジネスのデジタル化

新型コロナウイルスの流行による移動や対面取引の制限が大きなきっかけとなり、シンガポール全土のさまざまな業界の企業が、この2年間で著しいデジタル変革を遂げました。このため、企業は現在、業務、ビジネスモデル、勤務形態などの面で、オンラインとオフラインを融合させたサービスを消費者に提供するための準備を進めています。

シンガポールにおけるデジタル化のトレンドは、ポストパンデミックにおける企業の事業展開計画だけでなく、サイバーセキュリティや3Dプリントなど、デジタル空間に直接関わる分野への投資の増加にも現れています。例えば、国立研究財団(NRF)は、パンデミックに起因する労働力不足の中、シンガポールの人工知能(AI)の能力向上のために1億5000万米ドルを投資しています。 

シンガポールのエルダーケアとエルダーテックへの投資

シンガポールでは、高齢者ケアの分野、特にテクノロジーとデジタルソリューションの応用もトレンドとなっています。高齢者は新型コロナウイルスに起因する合併症を引き起こすリスクが高いとされているため、高齢者ケア業界では患者への対応方法を調整する必要が生じました。

最近、医療機関は、患者の遠隔診察や医療技術の進歩などの革新的なソリューションの活用を推進しています。例えば、シンガポールの高齢者ケア業界のスタートアップ企業であるHomageは、遠隔診察サービスを提供しており、高齢者ケアへの投資が "ニューノーマル"において非常に貴重であることを示しています。

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