2022年3月、中国の大手ハイテク企業Huaweiは、インドネシアの複数の通信会社と提携し、ジャカルタ、スラバヤ、バンドンなどインドネシア全域に5G技術を導入することを発表しました。

5G技術は、利用者の接続性向上はもちろん、インダストリー4.0のコンセプトを日常業務に取り入れることで効率の改善、ミスの削減、柔軟性の向上を実現し、インドネシアの製造業の発展やスマートガバメント化の促進にも役立ちます。

インダストリー4.0は、特にインドネシアのインターネット経済(2021年にはASEAN6か国の70%に達した)が成熟・成長しつづける中で、同国のポストパンデミック経済のさまざまなビジネス産業にとって、極めて重要になります。

製造業における5Gとインダストリー4.0

The Jakarta Globeによると、Huaweiは、モノのインターネット(IoT)、クラウドコラボレーション、インテリジェントオートメーションなど、製造工場の安全性と効率を大幅に向上させる技術を挙げて、5G技術がインドネシアの製造業をアップデートさせるために重要な役割を果たすことを強調しています。

YCP Solidianceは、ホワイトペーパー「東南アジアにおけるパンデミック後のビジネス展望」の中で、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック以降、東南アジアの経済回復と成長に対してインダストリー4.0が果たす大きな役割に言及しています。特に自動化は、インダストリー4.0を段階的にビジネスに取り入れることを希望する企業や国にとって、手軽で効果的な入り口だと考えられます。

インドネシアの5G技術の向上はまた、インダストリー4.0の加速に加えて、大手メーカーとテクノロジー企業やスタートアップ企業とのコラボレーション機会や、その共通の運用課題に対する革新的なソリューションももたらすことが期待できます。

インドネシアのスマートシティにおける5Gコネクティビティ
5Gは、特にモノのインターネット(IoT)システムの成長を加速させる上で大きな役割を果たし、遠距離の機器間の接続性向上に役立ちます。これは、インドネシアがスマートシティのネットワークを構築する上で、特に有用です。

インドネシアは2013年にバンドンでスマートシティの開発を開始し、2045年までに全国に約100のスマートシティを開発する目標を掲げています。そのためには、5Gコネクティビティの普及が極めて重要となります。

YCP Solidianceは、レポート「インドネシアは2045年までに『100 Smart Cities』を達成できるか」の中で、インドネシアにおけるスマートシティ構築の柱について紹介し、特にスマートガバナンスとスマートインフラの分野で、接続性向上のために企業とのコラボレーションが必要とされていると考察しています。

コラボレーションは、インドネシアでのスマートシティ開発、特に東カリマンタンに新首都「ヌサンタラ」を構築するために非常に重要となります。

また、インドネシアでは、国内の5Gサービスも徐々に展開されています。分析会社のOpen Signalによると、無線ネットワークプロバイダーのTelkomselが2021年に商用5Gサービスの提供を開始し、Indosat、XL、Tri、Smartfrenなどの事業者も、5Gに対応した自社ネットワークの準備を進めています。

今後、多くのインドネシアの産業が5Gコネクティビティを向上させることで、テクノロジーの統合によるインダストリー4.0の実現が容易になり、インドネシアの経済・開発目標の達成に貢献することが期待されます。

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