2023年1月、「Nikkei Asia」は、2022年の国内新車販売台数において、インドが日本を抜いて世界3位となったことを報じました。両国の販売台数は、インド約425万台、日本約420万台と推計されています。

インドの自動車産業が好調に発展している一方、日本では縮小傾向が続いています。日本の自動車産業は今後、どのように推移するでしょうか。

日本自動車産業の概況

日本は現在も世界4位の自動車市場であり、世界的に見れば比較的堅調であると言えます。日本は長年、自動車産業において国際的に高い業績を維持してきましたが、近年は自動車生産に不可欠な半導体チップの不足により、生産不振に直面しています。

サプライチェーンにおいて半導体チップ不足などの課題を抱えながらも、自動車産業は依然として日本を代表する産業の一つとなっています。また日本には、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車など、高品質で信頼性の高い自動車を製造するメーカーが拠点を置いています。

日本は今後、世界3位の自動車市場という地位回復を目指すとともに、自動車産業の多角化を推進する必要があります。産業の多角化は国内外の投資家から注目を集め、販売台数の増加、ひいては世界ランキングにおける順位回復にも繋がります。

日本の自動車市場を成長させるためには、新規参入企業と既存ステークホルダーの双方が、電気自動車や生産規模拡大といった投資家が高い関心を持つトレンドを正確に把握することが重要です。ウィズ・アフターコロナ態勢への移行はさまざまな産業で新たなビジネスチャンスを生んでおり、自動車産業も同様に、潜在投資家とのパートナーシップやコラボレーションを積極的に模索すべきであると言えます。

日本自動車産業の将来
電気自動車市場は急速に成長しており、バッテリー駆動車の販売台数は2022年第1~第3四半期に2021年比80%増加しました。しかし、「Bloomberg」の日本自動車市場に関するレポートによると、電気自動車の販売台数において、日本の自動車メーカーは世界トップ20社に入っていません。

今後、日本が世界的トレンドに従い電気自動車の販売を強化することで、国内自動車産業に対して下記3点のメリットが期待されます。

(1)国内自動車産業で現在課題となっている電気自動車の普及を促進する

(2)日本が電気自動車分野の投資に適していることを他国に示す

(3)電気自動車分野への本格参入により、世界最大級の自動車市場である日本の強みをさらに強化する

自動車メーカーや業界リーダーは、トレンド活用に伴い、業界内の他分野に与える影響についても大局的に考慮する必要があります。たとえば、電気自動車の普及促進は、電気自動車が従来の自動車と異なる生産工程を必要とするため、自動車生産に大きな影響を与えることが予想されます。生産分野に対する悪影響を回避しながらトレンドを押さえるために、部品メーカーは電気自動車の組み立てに携わる企業のニーズに焦点を当て、戦略を調整することが重要となります。

また、日本自動車産業が成長を実現するためには、官民の連携も不可欠です。民間部門と公的部門の双方が、業界全体の成長を促進するために協力して取り組みを進める必要があります。具体的な方法としては、自動車生産に対する税制優遇制度や免税措置、自動車インフラ改善を目的とした行政機関と自動車メーカーの提携などが挙げられます。こうした官民連携を進めることにより、2023年における日本自動車産業の発展は一層確実なものとなることが期待されます。

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