2022年6月、ベトナムのVingroup(電気自動車メーカーVinFastの親会社)が、世界的IT企業のインテルと提携し、グループ各社に対して5G技術などのイノベーションを提供することを発表しました。中でもインテルのIoTソリューションは、VinFastの電気自動車とバッテリーに対して、製造効率と全体的な性能を大幅に向上させることが期待されています。

近年、ガソリン価格の高騰や世界的なサステイナビリティへの関心の高まりを背景に、ベトナムの電気自動車産業と、その成功が同国の自動車産業に与える長期的な影響への注目が高まっています。YCP Solidianceは、レポート「官民連携:ベトナムにおける持続可能な都市開発」の中で、ベトナムの電気自動車産業が持続可能な交通手段へのシフトの一環として、官民両方のプレイヤーにとって重要なビジネスチャンスとなっていることを紹介しています。

ベトナムにおける「持続可能な交通」とは

電気自動車は、ベトナムが推進する「持続可能な交通」計画の一環であり、前述の当社のレポートでは次のように定義しています。「スマートで持続可能な都市を実現するための不可欠な要素であり、将来にわたって交通システムをサポートできるよう整備されたインフラで構成されている。また、持続可能性を考慮して計画されたスマートな交通手段であり、環境汚染と交通量の削減、ひいては都市間の移動しやすさと市民全体の幸福に寄与する。」

ベトナムの交通手段としては、依然としてバイクが最も普及していますが、電気自動車の市場規模や普及率も着実に伸びており、公共部門において持続可能な交通に関する目標や取り組みが加速しています。

 

ベトナムの自動車産業におけるビジネスチャンス
ベトナムでは、電気自動車の普及によって官民の双方にメリットが見込めるため、政府も電気自動車の普及を促進するための政策や取り組みを始めています。

  • 消費者向け:法律番号第70/2014/QH13号で、電気自動車に対する消費税の特別税率が5〜15%に設定されています。(2018年以降)
  • メーカー向け:  電気自動車の生産開始から2年間は、生産台数が規定未満でも輸入部品の課税は0%です。ただし、3年目以降は年間125台以上生産する必要があります。

その他にも、近い将来に実現が期待される政策として、電気自動車の登録料減免や、ハイブリッド式を含む電気自動車の現地組立コストの削減などが検討されています。

これらの政策は、自動車業界のプレイヤーや、特に第四次産業革命の進む電気自動車の製造分野において、メーカーと消費者のために技術主導のソリューションを開発する企業に対して、魅力的なビジネスチャンスをもたらします。

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